万引き家族を見る前に読んでほしい!是枝監督が伝えたかったたった一つの事

最初に言っておきますが、この記事では多少万引き家族のネタバレになるようなことも含んでいます。

ただ、単なる感想記事というわけではなく、万引き家族をこれから見ようとしている方、特に小さいお子さんにも鑑賞させるべきか悩んでいる方に向けて、是枝監督の言葉と共に万引き家族という映画が持つ本当の意味について書いた記事になります。

実際、子供に見せるには少し抵抗がある方も結構いらっしゃるようです。


ただ、私がそうであったように映画を観る前と後では万引き家族という映画の見方が変わりました。

その辺も含めて、万引き家族の意味というか、価値を感じてもらえたらと思います。

まずはあらすじ

高層マンションの谷間にポツンと取り残された今にも壊れそうな平屋に、治と信代の夫婦、息子の祥太、信代の妹の亜紀の4人が転がり込んで暮らしている。彼らの目当ては、この家の持ち主である初枝の年金だ。足りない生活費は、万引きで稼いでいた。社会という海の底を這うような家族だが、なぜかいつも笑いが絶えず、互いに口は悪いが仲よく暮らしていた。
冬のある日、近隣の団地の廊下で震えていた幼い女の子を、見かねた治が家に連れ帰る。体中傷だらけの彼女の境遇を思いやり、信代は娘として育てることにする。だが、ある事件をきっかけに家族はバラバラに引き裂かれ、それぞれが抱える秘密と切なる願いが次々と明らかになっていく──。
Filmarks映画

万引き家族はPG-12作品になります

子供に見せるべき作品かを考える時の指標になるレイティングですが、万引き家族はPG-12作品になります。

PG-12作品作品とは、小学生以下の子供が視聴する際、保護者の助言・指導が必要で鑑賞する際にはなるべく保護者同伴をオススメする作品になります。

観る前に思っていたのは『万引き』という行為がもたらす犯罪が子供に悪影響を及ぼす可能性がある為、PG-12になっているののかなってことでした。

子供に万引き家族を鑑賞させるべきか悩んでいる親御さんも、おそらく私と同じ気持ちの方が多いのではないでしょうか?

まさに、私が今回お伝えしたいことは、万引き家族ってそうゆう映画じゃないよぉ~ってことです。

がしかし、リリーフランキーさんと安藤サクラさんの濡れ場のシーンや松岡茉優さんが風俗店でアルバイトしていたりするので、そうゆう意味では若干子供に見せるのは考えた方がいいかもしれませんが。

ただ、そんなことは超越してしまう内容になっていることは覚えておいてほしいです。

万引き家族で是枝監督が伝えたかったこと


是枝監督はカンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞した際の記者会見で万引き家族を作るにあたり実際の児童施設に取材をしたエピソードを語っています。(動画20:00頃)

その時に出会った少女が万引き家族の根底にあると言っています。

添付の動画を見てもらうのが一番だとは思いますが、電車に乗っていたりして動画を見られない方もいらっしゃるかと思いますので、その時の是枝監督の言葉を書き起こしてご紹介しますね。

施設に収容されてそこから学校に通っていた子供達の施設に取材に行ったんですけども、ちょうど僕らが取材をしている時に学校からランドセルしょって帰ってきた女の子に『今、なにしてんの?』って話しかけたら、ランドセルから国語の教科書を出して僕らの前でいきなりレレオーネの『スイミー』を読み始めたんですね。

で、施設の職員の人がもうみんな忙しいんだからやめなさいって言うのに、全然いう事を聞かずに最初から最後まで読み通したんですね。

それで、僕たちがみんなで拍手をしたら凄く嬉しそうに笑ったのね。

で、この子はきっと今離れて暮らしている親に聞かせたいんじゃないかなって思った。

それでその子の朗読をしている顔が頭から離れなくて、それですぐ映画の中の少年が教科書を読むってシーンを書きました。

そして、このあと(動画28:09)『僕はそのスイミーを読んでくれた女の子に向かって作ってると思います』と言ってます。

この女の子が映画では柴田祥太を演じた城桧吏くんのですね。

映画を見ていると、いつの間にかこの柴田祥太の目線になっている事に気が付かされます。

父親から幼い頃から万引きを教えられ、なんの悪気もなく万引きをしていた少年が妹(りん)がきっかけで成長していくんです。

是枝監督は万引き家族で、施設で出会った女の子に『将来必ず本当の家族(幸せ)と再会できるからね』という強いメッセージを伝えたかったのかなって思いました。

まとめ

万引き家族を子供に見せるべきか?という問いに対しては答えが難しい所ではありますが、この映画から『家族の大切さ』とか『本当の幸せとはなんなのか?』と言ったことを考える良いきっかけにはなるかと思います。

間違ってもこの映画を最後まで見て『あっ、万引きしてみよう』と思う子はいないんじゃないかな。

万引き家族鑑賞後、すっごく切なくなりましたが私は見て良かったと思うし、私には子供はいませんが子供がいたらよく検討して勧めてあげたい作品だと思いました。

なお、万引き家族のロケ地に関しては別ページ『映画万引き家族ロケ地・撮影場所(リリー・フランキー、松岡茉優目撃情報アリ)』でまとめましたので、そちらのページをご覧ください。