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あらすじ
ある日、コロンビア大学助教授アレキサンダー(ガイ・ピアース)は愛するエマ(シエンナ・ギロリー)にプロポーズをする為に、デートの場所へ向かった。
そして公園の外れでエマにプロポーズをし、婚約指輪を渡す。と、その時運悪く銃を持った男性から恐喝を受けるが、エマはさっきアレキサンダーからもらった婚約指輪を渡そうとせずに、恐喝犯と揉み合いになり弾みで銃で撃たれて死んでしまう。
この時からアレキサンダーはエマを救うべくタイムマシンの製作に没頭することになります。
そして、エマが死んでから4年後、遂にタイムマシンが完成しエマを救いに行くアレキサンダーだったが、再度エマが不慮の事故で死んでしまう事になる。
この事から、アレキサンダーは過去に戻っても過去は変えられないことを痛感し、過去の変え方を探して未来に行くことになる。
そしてアレキサンダーは月の爆発によってタイムトラベル中に気絶し80万年後の世界にタイムトラベルすることになる。
そこには、地上で暮らす人種(エロイ族)と地下で暮らす人種のモーロックが存在し、エロイ族はモーロックのエサとなっていた。
今度は、この未来を変えるべくアレキサンダーがモーロックと戦うことになる。
予告
もしもエマと一緒にタイムトラベルしても運命は変えられない?
アレキサンダーがタイムマシンを作るきっかけにもなった最愛なる恋人エマを助けるために、アレキサンダーは過去に行きますがエマは馬車の事故に巻き込まれて死亡することとなってしまいます。
過去に戻れたとしても、その人の運命は変えられないという非常に興味深い設定となっています。
恐喝を避けようと、場所の事故を避けようと、エマは18時頃に違う死に方をする運命ということですね。(エマの死ぬ直前に時計が映っていました)
じゃあ、タイムマシンで数年後にエマと一緒にタイムトラベルしていたら?
エマの運命はこの日の18時ごろに死ぬ運命なんだから17時50頃にタイムマシンで一緒に未来に行っていたらエマが死ぬ18時は避けることができていたように思います。
これに関しては、映画では触れていません。
こうゆうタイムトラベルモノは事実関係に嘘や矛盾がなければないほどその後のストーリーが面白くなっていくだけに、この点の払しょくがなかった点は残念でした。
ただ、ストーリーのことを考えるとエマと一緒に数年後にタイムスリップしたとしてもエマは死んでしまうってことなんでしょうね。
エマの死が避けられない理由についてとても明解に解説してくれた内容があったので抜粋してご紹介します。
過去に戻り恋人エマを助けるために主人公は
タイムマシンを完成させる、エマが死なない世界ではタイムマシンは存在しない、
タイムマシンの存在理由そのものが
エマが死ぬことによって成立しているので、
タイムマシンでエマの死を回避することは不可能。
Yahoo!知恵袋
なるほど!
タイムマシン=エマの死、という考え方に妙に納得してしまいました。
時の経過の仕方がリアルな描写で描かれている
そこで、未来になら過去を変える方法があるかもしれないとアレキサンダーは未来へタイムトラベルすることになります。
具体的にアレキサンダーが行った未来の年号は
- 1899年1月19日
- 2030年4月24日
- 2037年4月(日にち不明)
- 802701年7月16日
でした。
最初、2030年に行き全世界のデータベースとリンクして映像と音声による原子力フォトニックに過去を変える方を聞きますが、的を得た回答が得られませんでした。
その後、2037年に行きますが、この年に月で爆発が起き隕石などが地球に落下する天変地異が発生している中だったこともあって、タイムトラベル中の激しい揺れに襲われアレキサンダーは気絶し、そのまま80万年後にタイムトラベルすることとなるわけです。
通常のタイムトラベルモノだと2030年頃の世界へのタイムトラベルで近未来といった世界になりますが、この映画では月の爆発を契機にさらに突っ込んで80万年後のかなり野性味溢れる世界へとタイムトラベルしています。
タイムトラベルでイメージするのって近未来でしたが、80万年後(映画の設定では802701年7月16日)とかって想像もできない世界だったのでこれにはワクワクしました。
また、時の経過の様子も早送りで見ることができた所も面白かった!
この描写は他のタイムトラベルモノにはない点でとても斬新な印象でした。
ただ一つ疑問があって、この作品ではタイムマシンの位置は変わらずに周囲が変化して未来や過去に行ける設定ですが、何十年もタイムマシンに誰も手を付けずに置いておくか?ってこと。
しかも、80万年後とかいったらその場所に何か別の建築物は建つだろうし、それこそタイムマシンを不審に思った人が撤去や取り壊しとなることのほうが普通な考えですよね。
バックトゥザフューチャーのように一瞬で消えて過去や未来にタイムトラベルするのなら分かるんですが、この作品ではタイムトラベルの仕方に少々の疑問は残りました。
ちなみに原作の小説『タイムマシン(著: H.G.ウェルズ)』では、建物はアレキサンダーがいなくなっても所有権がある設定で、タイムマシンの着陸地として保護していた設定だったようです。
80万年後はエロイ族とモーロックという2つの人種という設定
この映画の一番のポイントとも言えるのが、月の爆発から逃れる為に地上と地下に進化した種族がいるという点ですね。
エロイ族の他に地下という過酷な環境で生きてきたモーロックという種族です。
モーロックは、元々は人間になるので二足歩行もできますが知能が弱くその分筋力に優れているという特徴があります。
タイムマシンで未来に行って、人間より野蛮な人種に支配されているという、なんともゾクゾクする展開でした。
モーロックは恐竜に近い感じかな。
そう考えると、この映画がさらに深くなっていくんですが、これは想像ですが今の人類も恐竜が絶滅して知能に優れた人が世界を支配しているわけで、この映画の支配者であるモーロックもなんらかの要因で絶滅し、結局知能に優れた人が世界を支配してくという流れになるのかなぁ、なんて想像していました。
だから今も西暦で言えば2018年ですが、何十万年続いている中の2018年ということですもんね。
このモーロックの存在から少し妄想してしまいました。
全知全能の白髪のおじいちゃん
この映画ではエロイ族がモーロックのエサという設定になっていますが、エロイ族の知恵があれば(以前の時代に看板や石器などを頼りに英語も勉強していた)モーロックからも身を守れるんじゃないかと最初思っていました。
ただこの世界には、このモーロックとエロイ族、どちらも支配する神様のような白髪のおじいちゃんがいて、そのおじいちゃんによってエロイ族も洗脳されていたんですね。
このおじいちゃん、人の思考も読み取れるようで、アレキサンダーの過去やタイムマシンについても知っていました。
敵なのか味方なのかも最後まで分かりませんでしたが、結局エロイ族の敵という事でアレキサンダーがタイムマシンの次元の海に強制的に連れていきやっつけます。
このおじいちゃんが誰なのかもうちょっと説明が欲しかったなぁ。
ちなみに設定では、モーロックの目や耳となるとして存在していた設定になっていましたが、なぜ一人だけ違う人種がいるのか不明でした。
まとめ
この映画の原作は1895年に発表されたイギリスの小説家H・G・ウェルズの『The Time Machine』になり、以前にも一度実写化されていて(1960年公開)、今回紹介した映画は2002年に公開された映画になります。
ちょっと原作が古いので、少々荒い感じにもなっていますが全体的に見てかなり面白い映画でした。
タイムトラベルモノの王道ともいえるタイマシンによるタイムトラベルというのも分かりやすかったです。
また、所々にオシャレな描写や表現もあり(最後にアレキサンダーの親友がテンガロンハットを投げ捨てるシーンなど)、ストーリー以外でも楽しめます。
ちなみに『タイムマシン』は当サイトの映画おすすめランキングでもSFジャンルの1位として紹介しています。
タイムトラベルモノが好きな方におすすめしたい映画でした。
他にもタイムトラベルモノのレビューがありますので、是非そちらのページもご覧ください。