【ネタバレ】映画フィッシュストーリー感想(伊藤淳史、濱田岳)

時代も場所も異なる人たちの冒険が一つに繋がった時、世界を救う!!

実力派ミステリー作家、井坂幸太郎の小説、『フィッシュストーリー』を、

『アヒルと鴨のコインロッカー』の中村義洋監督が再び井坂幸太郎小説のメガホンをとった。

評価

8点(10点満点中)

あらすじ

フィッシュストーリー1
2012年、彗星激突により地球滅亡まで、あと5時間。

パンクバンド”逆鱗”が1975年に残した最後の曲、『FISH STORY』。

発売当時、誰にも聴かれなかったその歌が1982年、2009年、2012年と時代を越えて流れた時、物語が動き出す。

時も場所もまったく違う人たちのそれぞれの冒険が一つに繋がった時、世界を救う!!

これ、半端じゃないっす!!

原作とは少しだけ異なる部分はあるけれど、それはそれで実に面白い。

小説とかアニメとかってよく、「映画化(実写化)しない方が良かった」っていう作品があるけれど、これは映画化して良かった、むしろ映画のが面白いのでは?とまで思う。

それは映像や音など、本では表せない描写などは読んでいる個人の受け手によって捉え方は異なるし、それで成り立つからだ。

しかしこの映画は、原作の小説を読んでいる者にさえイメージを壊さない、むしろ「こういう風景だったんだ!」、「こういう音楽だったんだ!」とまで思わせてくれる。

原作とのギャップをまったく感じさせない、

これってとんでもなくスゴイことだと思うんです!!

斉藤和義の音楽も一層このフィッシュストーリーに濃く色付けしてくれてます。

物語は彗星激突5時間前という、2012年地球滅亡の日から始まり、

イジメられるばかりの気弱な男、旅行中に船に取り残されてしまう女子高生、売れないパンクバンド、

それぞれの物語が独立していて、一見オムニバスのように人と時代がクルクル変わって訳が分からないように見えるんだけどそのあまりに謎過ぎる展開に不思議とグイグイ引き寄せられる。

時代も登場人物も異なるエピソードが最後の最後で見事にパズルのピースがピタッとはまるが如く関連し合う様は、とても爽快で幸せな気持ちにさせてくれます。

「お菓子食べよう~」と思って、一瞬でも目を反らすともう意味が分からないので、集中して観ることオススメです。←お前だ!!

伊坂幸太郎作品には欠かせない存在の濱田岳や、森山未来、伊藤淳史、多部未華子、高良健吾、大森南朋など、個人的に好きな役者が勢揃いしているのもまた乙なところです。

フィッシュストーリー名シーン

フィッシュストーリー2
山本未来扮する正義の味方のシーンが素晴らしい。

バレエやダンスができる森山未来ならでは華麗なアクションシーンは必見です。

フィッシュストーリー3
あと、逆鱗のボーカル五郎役の高良健吾がとてもかっこいいい。

坊主で無骨な青年、ハスキーボイスがたまらなく似合っています。

点と点が繋がるラストに思わず唸らせられます!

壮大なフィッシュストーリー(ほら話)、是非とも観ていただきたい作品です!