あらすじ
1980年代がテーマで、この時代の日本では近代化の流れに乗り、西洋の文化を取り入れ、侍などの古い慣習を断ち切ろうとしていた時です。
そうゆう新しい文化を日本に普及させようとする政府と今までの文化を重んじる侍たちで日本が二分されていました。
侍たちの指揮を執っていたのは、かつて陛下の元で侍達の教育係をしていた勝元盛次(かつもともりつぐ:渡辺謙)です。
その日本の新しい政府側に雇われる形で、侍たちの抹殺の為に日本の兵士たちの教育係として南北戦争時代のアメリカ北軍の士官として参軍したネイサン・オールグレン大尉(トム・クルーズ)が来日します。
政府の兵士達は戦争に慣れていない者が大半で教育にも時間がかかりますが、結果を求める政府はまだ力のない兵士たちを侍達にぶつけてしまい、あえなく侍たちの前に力なく敗北する形となってしまい、オールグレンは勝元に一目置かれ、侍たちの住む村に連行されます。
そこでオールグレンは侍の規律ある生活や訓練、人間性、慣習を感じ徐々に惹かれていきます。
侍を抹殺したい政府軍と昔の日本の文化を守ろうとする侍たちのストーリーです。
オールグレンのレディファーストの精神がカッコいい
徐々に侍たちの規律ある人間性に惹かれ、侍たちの生活に溶け込んでいくオールグレンですが、レディーファーストの国アメリカ出身という事で、勝元の妹である、たか(小雪)が重い荷物を持っていると、オールグレンが寄ってきてたかの荷物を持ちます。
そんなオールグレンにたかは
日本の男はこのようなことはいたしません
と言いますが、オールグレンは
日本人ではない
と言います。
こうゆう異文化の交わりが随所にあるので観ていて飽きませんでした。
最後の決闘のシーンは圧巻
ニュージーランドのタラナキ山のふもとで撮影された、政府軍と侍の決闘のシーンは圧巻でした!
エキストラを日本から300人ほど連れて約10週間かけて撮影されたものになりますが、銃を中心に近代的な戦い方をする政府軍と刀や弓を中心に戦う侍たちとの攻防もかなり見ごたえがありました。
オールグレンが政府軍の戦い方を知っていたので、政府軍の動きに合わせて空から弓矢の雨を降らせたり、油が染みこんだ藁に火を放つなどの戦い方が、銃を前にしてもかなり有効に働いていましたね。
最後の勝元の死に方が侍の鏡
最後、政府のマシンガンの前に勝元は打たれてしまい瀕死の状態となり、自分の最後を銃ではなく刀で締めたいという思いから刀で切腹を試みようとします。
それを見て、オールグレンが勝元の最後は自分が刀で締めるとばかりに、短刀を手にして勝元に刺し殺してあげます。
最後を刀で締めるこの文化は、侍の世界では名誉に値することで、最後にオールグレンが侍たちのリーダーに華を持たせる格好となっています。
また、そのように死んでいく勝元を見て政府軍の兵士たちが侍たちに敬意を表して、丘の上から土下座をします。
このシーンは圧巻です!
感動しました!
こうゆう文化をハリウッドの作品として発信しているところがラストサムライの秀逸なところです。
子役がかわいい
また、ラストサムライでいい味を出してくれたのが、たかの息子たちでした。
たかには、飛源と孫次郎の二人の息子がいましたが、最初オールグレンを敵として見ていて無視したりします。
食事のシーンでは、『お前は敵だ』とばかりに、孫次郎はオールグレンに敵対心をむき出しにします。
しかし、徐々にオールグレンに日本語を教えたり、一緒に剣術の稽古をしたりする中で心を通わしていく様子もたまらなくよかったです。
ちなみに、飛源を演じたのは池松壮亮さんです。
ラストサムライ名言
月500くれるなら誰だって殺してやるさ
だがひとつはっきりさせとく
あんたを殺すならカネはいらない
バカも休み休み言えであります
万人のしきたりに切腹はない
侍が敗れてなお生きるは恥辱
ありがとう
おかわり
親切でした
忘れません
わしは刀によって死にたい
すでに鉄道や大砲、西洋の衣服を手に入れた
しかし日本人たる事を忘れてはならない
まとめ
観る前は単なるアクション映画だと思っていましたが、それ以上に日本の古い文化が尊重されていて、オールグレンがその日本の文化に溶け込んでいく人間模様に夢中になる作品でした。
また、渡辺謙さんや真田広之さんを始めとする侍たちの剣術や立ち居振る舞いも見どころの一つです。
作品自体のストーリー性や決闘シーンでの壮大さなども観ていて、満足度が高かったです。
『ラストサムライ』は当サイトの映画おすすめランキングでもアクションジャンルの1位として紹介しています。
ちなみに、ラストサムライは2002年10月にトム・クルーズさんが来日され行われました。
その日本やニュージーランドでのロケ地は別ページにまとめましたので、そちらのページを参考にしてください。
⇒ ラストサムライロケ地、撮影場所(寺、ニュージーランド、佐世保、九十九島)
ラストサムライは、ハリウッド映画ではありますが、日本人なら一度は見ておきたい、そんな映画でした。